特集「子どもの安全」を守る
〜一人ひとりができること〜
下校途中の小学生を狙った犯罪が、広島県や栃木県ついには秋田県でも発生しました。罪のない子どもが犠牲となる事件に、深い悲しみと犯人に対する激しい怒りやその残虐性に背筋も凍る恐怖を覚えます。
行政・学校・各関係団体では、これまで様々な取り組みを行ってきましたが、二度とこのような事件が発生しないようさらに対策を強化、事件の防止に取り組んでいます。
しかし、行政・学校の取り組みだけでは、子どもの安全を守るのには限界があります。子どもは、保護者はもちろん、地域・町にとってもかけがえのない宝です。私たちはその子どもたちのために、いま何ができるでしょうか。家族みんなで話し合い、一人ひとりができる、ほんの小さな事からでも、始めてみませんか。
行 政
ーその取り組みー
町は安全・安心な環境のためにあらゆる対策を考え、学校・地域活動を支援します。二度と悲劇を繰り返さないために。
町では、藤里町の事件を受け、事件が発生しやすい下校時間に町職員による緊急の見回りを実施しています。また、今年運用開始となった防災行政無線を活用し、「下校時間です。子どもを見守りましょう。」と放送し、地域の協力を呼びかけ、不審者や不審者車両による事件発生の未然防止に努めています。
6月定例議会では、通学路の防犯街路灯の増設(50カ所)・8地区で組織された「子どもを守る会」の活動支援助成金や防犯用品の支給のほか、羽後中学校冬季バスの運行時間を繰り上げる経費など総額632万円余りの補正予算を可決し、安全・安心のまちづくりをさらに推進させます。
また、 昨年度から小学生一年の児童には防犯ブザーを配布し、今年度は、警察と連携し各小中学校で「防犯教室」等を開催する予定で、子ども自身の自衛策も強化していきます。
警察庁では住民の防犯意識高揚や不安解消のため警察官の巡回・パトロールはもちろん、昨年度より「地域安全ステーション」事業を進め、地域と警察との連携を強化し、町・学校・地域のボランティアが参加して地域の安全活動を促進しています。また、この事業のモデル地区として今年度、元西地区が、指定をうけ警察庁より各種防犯用品が授与され防犯パトロールなどに活用されています。
子どもたちの安全を守るために、町や警察では様々な取り組みを行っていますが、行政だけの取り組みでは限界があり、子どもたちが安全で安心できるまちづくりには地域の皆さん一人ひとりの協力が不可欠です。
6月までに、町内八地区(西馬音内町部・床舞・三輪・新成・明治・元西・田代・仙道)で子どもを守る会等が設立され、ボランティア加入の呼びかけを行っています。守る会等への加入や下校時にあわせた、通学路等の見回りなど、できることから始めませんか。今、子どもたちは皆さんの力を必要としています。
健やかな成長を願い 町教育委員会 加藤 忠紀教育長
子どもの命を健やかに育てることが、地域・家庭の一番の願いです。全国で命が奪われるような痛ましい事件が起きたことは大変せつない思
いで、残念でなりません。子どもの命の安全が守られないような社会の状況は、打ち破っていかなければなりません。
こうした事件を受け、各地域に守る会が設立されています。各地区の守る会の活動が多くの町民の参加で推進されていくよう全力で支援して
いく予定です。また、学校の教職員は保護者と連絡を密にして、下校時の出迎えをお願いしたり、途中まで一緒に歩いて付き添うなど、細心の
注意を払っています。しかし、地域の皆さんの目で守っていただくのが一番効果的な対応策になると思います。一時的なものでなく、常時化された子どもたちを見守る体制ができるよう、地域の皆さんの協力をお願いします。
教育は家庭と学校・地域が協力して善悪ができ、他を思いやる心にあふれた心豊な人間の育成を目指すものであります。親と教師は子どもの育ちに寄り添い、厳しくまた、愛情豊かに関わり、子どもたちが理性を持って自己決定できる力を育てていかなければなりません。地域の大人は良いモデルなり、子どもの自立をみんなで支え、青少年の健全な育成を果たすことで、犯罪の少ない心と命の安全・安心が実感できる社会をつくりあげていきたいものです。
学 校
ーその対応ー
学校では、子どもたちの安全を守るため、さまざまな対応をします。子どもたちが安心して学べるように。
学校では事件が、低学年の下校時、友達と別れ一人になったときに起こりやすいため、通学路の危険箇所の再点検・最終的に一人になる児童の把握、一人で長距離・長時間になることがないよう、教職員による付き添い、巡回を行っています。しかし、町内の低学年生(1〜2年生)百154名に対し教職員は101名と、学校だけでは、人的・時間的・地理的に限界があり、こういったことからも皆さんの力は必要とされています。また、防犯ブザー等の配布・使用方法・携帯の指導、防犯教室を開催するなど、万一、不審者等に遭遇しても被害に遭わないよう対策を強化しています。
スクールガード・リーダーが6月8日、県教育委員会から委嘱され誕生。スクールガード・リーダーとは、各小学校の警備のポイントの指摘・定期的に学校を巡回し、各学校の安全体制の評価、指導助言・スクールガード(登下校時等の児童見守り活動を行う学校安全ボランティア)に具体的な指導などを行うもので、羽後町の担当には矢野正一さん(本町下)が委嘱されています。
「藤里町の事件以来、町民の皆さんも危機意識を持っていると思いますが、まだまだ、組織化されていないと思います。子どもを見守る運動
は、学校とPTAが主体となり行っていますが、地域としてみんなの目で見守る体制づくりのために、町民の皆さんの協力・学校はもちろん、守る会、各関係団体との連携が必要です。子どものくらしを守るため、がんばるので協力を願いしたい。」と矢野さんは話し、効果的・継続的な安全体制の確保に意欲をみせていました。
地域と一体なった、安全づくりは確実に進んでいます。
たくさんの目で見守ってほしい 明治小学校PTA会長 小野 勝さん
全国で発生している子どもが犠牲となる事件は、自分は自分、他人の家のことには無関心だったり、他人の子どもが悪い事をして、叱らなかったり、知らないフリをするといった地域や他人に無関心な大人が多くなったことが原因の一つではないでしょうか。
こういった犯罪を防ぐには、学校や保護者等の力だけでは限界があり、やはり地域の皆さんの協力が不可欠だと思っています。下校途中の児童を見かけたら少しでも手を休めて見守ってもらいたい。また、子どもたちも大人を悪者だとは思わず、知ってる人なら大きな声で挨拶をしてほしい。声をかけあうことにより、よりたくさんの目が子どもを見守ることになり、防犯効果も高まると思います。
地域の行事、学校の行事多く参加してみましょう。地域の人々や事情を知る事になります。こうして地域のつながりを強めていくことが、子どもたちが安心して暮らせる環境に変わっていくものと思います。
地 域
ーみんなで守るー
地域では子どもを守るための会が全地区で設立され、その活動がスタートします。地域の宝、子どもたちをまもるために。
元西地区では昨年12月に全国で子どもが犠牲となる事件が多発したことを受け、地域の信頼と共同の輪を広め、その防止を目的として「元西子ども安全委員会」が発足。冬期間は雪による交通事故防止を目的に通学路の除排雪、この春からは、防犯のための調査・各集落に「子ども安心の家」の依頼・のぼりやステッカーによる啓発活動が行われています。
こうした地域の「子は地域の宝」として事故や犯罪から守る活動が評価され、警察庁から「地域安全安心ステーション」モデル地区として指定を受け、6月18日に元西総合センターで記念式典が行われました。式典では、湯沢警察署より帽子やジャンパー・トランシーバー等の防犯用品が授与されました。
地域住民が地域住民のために、自分たちの力で行う防犯活動。その地域力に大きな期待がもたれます。
今年6月までには元西地区以外の7学区でも子どもを守る会が設立されました。
会は、各地区のボランテイア・小中学校PTA・交通安全協会・防犯協会・民生委員協議会・社会福祉協議会・老人クラブ・振興会などで組織され、子どもたちが自由に、安全に、健やかに遊び、学び、育つように地域住民の力を結集し守るため地域のパトロール・安全情報の提供・下校時間帯の子どもたちの出迎え等の活動が行われます。また、各地区の会ではボランティアを随時募集しています。いつまでも、子どもの笑顔の絶えない、明るい未来のために、その第一歩を踏み出してみませんか。
名 称 |
会 長 |
事務局 |
| 西馬音内子どもを守る会 | 佐藤 良友 | 西馬音内公民館(62ー1128) |
| 床 舞子どもを守る会 | 渡部 良浩 | |
| 三 輪子どもを守る会 | 藤原 朝雄 | 三 輪公民館(62ー2098) |
| 新 成子どもを守る会 | 佐藤 武三 | 新 成公民館(62ー2994) |
| 明 治子どもを守る会 | 伊藤 洋一 | 明 治公民館(62ー2291) |
| 元西子ども安全委員会 | 柿崎 隆豊 | 元 西公民館(62ー2296) |
| 田 代子どもを守る会 | 有原 貴市 | 田 代公民館(67ー2001) |
| 仙 道子どもを守る会 | 土田 房美 | 仙 道公民館(58ー7001) |
元西堀回地区では、昭和49年「より住みよい地域づくりの推進」をモットーに、県のモデル地区として「元西堀回地区コミュニティ」を発足、様々な地域活動を行ってきました。今度は警察庁から元西全域を対象に「地域安全安心ステーション」モデル地区として指定を受けました。子どもを守るコミュニティの活動が評価されたものと思います。