特集「子育て」
少子化が社会問題となって久しい。いま全国で子育て環境を整備する動きがクローズアップされ、秋田県でも子育て支援と教育の充実を社会全体で支えようと「子育て教育税」の創設が提案されました。しかし、2年半に及ぶ試行や県民の意識調査を実施、議論を重ねた結果、県議会では税導入を断念することになり、子育て教育論議は新たな局面を迎えることになりました。
羽後町でも、学校や支所の統廃合・保育所の再編・子育て支援センターの開設など行政の取り組みや、民間企業・地域・ボランティア組織による子育て支援など育児に関する様々な事業を展開しています。この特集では主に就学前児童の子育てに関わる方々や施設などの利用者からお話をうかがい、子育ての現状や今後の方向性などを考えます。
民間企業が子育て支援
出産祝い金制度を創設
小田敦工場長(秋田指月)
社員の子育てを支援しています。
秋田指月の「出産祝い金制度」は、誘致企業として町に少しでも貢献したいという社長の理念で創られました。2006年4月創設以来これまで12名の社員が祝い金を受給しています。今年1月には、お二人の男の子を出産された社員に祝い金が贈られました。
企業は人であり、その人が幸せになることは会社にとっても有益であり大切なことだと考えています。そのためにはどうすればいいか。子育ても社員が幸せになるためにとても大切なことであり、制度創設はその目標を達成する行動の一環として、育児休業などと合わせ、今後も工夫を重ね子育てを支援してまいります。
企業ができることを実践
しかし育児休業などについては、社員数の多い企業だからできるという側面もあり、町内の多くは小規模で交代要員の確保が難しい企業も多く、十分な子育て支援策をとれないところが多いことも現実です。羽後町に限らず秋田では職場不足が懸念され、親の収入減少は子育て環境にも大きく影響します。行政の行う子育て支援に加え、企業ができる支援を今後も実践して行きたいと考えています。
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祝い金をいただきました。
山口茂子さん(西の沢)
1月に二人の男の子を出産し、小学1年生と2歳の男の子をあわせ4人の母親になりました。私が勤務する秋田指月では「出産祝い金」の制度があり、3番目に30万円4番目が40万円、合計70万円の祝い金を頂戴しました。こんなにもらっていいのかと思いましたが、この子達のためにも貯金し、お金のかかる将来に備えたいと思います。会社に勤め16年目になりますが、育児休暇をもらい今年の夏頃には職場復帰したいと考えています。
家族で羽後町に戻ってきました。
私は仙道に生まれ、湯沢市で結婚、昨年春に夫と子供二人で羽後町に戻ってきました。たぶん父と母は喜んでくれていると思います。
昨年春に長男は仙道小学校に入学、次男は今春仙道保育園に入園する予定で、頼みの母はちょっと足腰が不安で、下の二人は0歳児保育をやっている田代保育園に入園させたいと考えています。
子育てしながら働くことは大変なことですが、会社や家族・周囲の方々にお世話になりながら頑張っていこうと思っています。
出産後も仕事続けられる環境を!
子を持ち仕事を続けていて思うのですが、私と同じような立場の女性は一般的に子供を産むと職場に居づらくなり退職を余儀なくされるケースが多く、出産や育児の休暇をもらえて職場復帰できる女性はほんの一握りだと聞いています。子供を育てることはお金がかかること。だから仕事を続ける必要があるのです。多くの女性が安心して働くことができ、余裕を持って子育てができる環境が充実すればいいなと思います。
子育て支援センター 62-5228(明通保育園内)
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子育て支援センター主任保育士宮田茂子さん
子育ては楽しい!
センターは今年で8年目、床舞の明通保育園内にあり、毎週木曜日の午前中就学前のお子さんと保護者のみなさんに無料で開放しています。昨年の利用者は1日平均20名、親子が安全に楽しく過ごせる環境を提供しています。
毎月第3月曜日には、役場の栄養士さんが0歳児を対象とした離乳食や健康面の相談も行っています。また、季節ごとに「節分」「クリスマス」「七夕」「雛まつり」などイベント企画も実施し、子育て中のみなさんが気軽に利用できるよう工夫しています。母親やおばあちゃんに「子育ては楽しい!」と思ってもらえる時間を一緒に過ごし、子育てを陰ながら応援していけたらうれしいです。
利用者の声
松井ひさ子さん(小松)
ストレスを解消する場所
センターへは孫と来ています。孫は一人っ子のためか最初はよその子とうまく交われなかったのですが、最近はなんとか慣れてきたみたいです。冬場は雪がありなかなか来れないですが、センターはきれいなところで自由にさせてもらえるし、お母さん達とお話もできとても楽しいです。また、子育てサポーターが仙道の高瀬ケアセンターで開いている「こっこクラブ」にも参加したことがあります。和気あいあいとしていてとても良かったです。
冬は家にこもりがちなので、孫ともどもストレスを解消する場所として大変助かります。
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佐藤由夏ちゃん(土舘東)
3歳。おばあちゃんときたよ。
この黄色いおうまさんがすき!
たのしいよ!
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藤原牧子さん(西馬音内・新処)
明通保育園に入園して!
年長と2歳の娘がいて、もうすぐ3番目の子が生まれます。共働きで今は産休中です。子供が生まれたらおばあちゃんが退職し子供たちをみてもらうことにしています。結婚する前は横手市に住んでいましたが、保育園では通園バスの送迎がありました。羽後町でも通園バスを出してくれると共働きの私たちは助かります。今度はこの子が明通保育園に入園しますが、今春入園する子は7人だけ。ほかの地区からも入ってほしいと思います。
※取材は2月7日。2月14日に男の子が生まれました。おめでとうございます。
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佐藤陽子さん(鵜ノ巣)
きれいで安全な場所
4歳の子を筆頭に3人の子供を育てています。8人家族で農業(養豚業)をやっています。上の子二人は保育所、定期的に一歳の子供といっしょに子育て支援センターを利用しています。センターは、きれいで安全な場所。お友達もいっぱいいるため保育所に入る時スムーズにできるのがいいなと思います。小さい子は目離しできないので、夏場は近くにこじんまりした安全な公園があれば助かります。また、風邪などで3人の子が交代でお医者さんにかかる場合が多く、医療費も積もれば馬鹿になりません。できれば、マル福の所得制限がなくなれば助かります。
子育て支援サポーター
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「三色すみれの会」会長 大森真利子さん(土舘東)
現在、会員は8名。子育てを一段落した主婦やパート勤務の方々が会員となり平成14年から本格的に活動しています。主な活動は、保育園・子育て支援センターの業務サポートや、高瀬ケアセンターの地域交流スペースを借り年4回親子が集い子育ての情報を交換する「こっこクラブ」などを実施しています。
会発足のきっかけは、平成11年の「子育てサポーター養成講座」への参加。町内の知人に呼びかけたことが始まりです。最初は、何をしてよいかさっぱりわからず、県から一回だけ補助金をいただき活動したことがあります。しかし、補助事業であることから様々な制約(講演会を開かなければならないなど)があり、本当にやりたいことができず事務処理も面倒で、何のために会があるのかさえ疑問に思えたときもありました。
それでも、実費程度で子供を一時的に預かったり、保育園や習い事教室への送迎、鍵っ子世帯での留守番など、忙しい親たちの様々な依頼を受けて活動するうちに、自分たちの役目は「子育てで切なくなった親たちを、ゆっくりさせること!」と、おぼろげながら解ってきました。
そして何よりも大切なことは、子供が好きな会員同士コミュニケーションを深め、楽しく活動することだと考えています。
子育て経験が豊富な会員ばかりですので、困ったことがあったら支援センターへご相談ください。保育現場は今!
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西馬音内保育園 大野小夜子園長
入園数が増えています。
現在、西馬音内保育園には218名の園児と40名の職員がにぎやかに過ごしております。近年は共働きの親御さんやおじいちゃんおばあちゃんもまだ若く働いている方が多いせいか未満児(0〜2歳の園児)の入園が増えています。
民間経営のメリットが多い。
平成17年4月に運営は町から羽後町保育会に移管され、満2年を経過しようとしていますが、民間経営のメリットを最大限に生かそうと様々な取り組みを行っています。中でも保育時間を拡大できたことが一番大きいように思えます。朝早い方は7時30分に受入れ、帰りの遅い方へは夕方7時まで保育しています。
また、人数も多いことから小さいお子さんが急に熱を出したり、遊んでいてケガをしたときなど、保育士が一人の子にかかりきりとなり、ゆとりの保育ができなくなる場合があります。こんなときは病気に対してプロの目を持つ看護士さんが配置されているので安心です。
子供との時間を大切に!
また、現場で働く保育士は、子供の気持ちを大切に対応しています。その中で特に感じることですが、入園している子供は一日の大半を親のいない場所で過ごしますので、子供とのわずかな時間を大切にしてもらいたいと思います。
保育園は時間のない様々な親御さんの要望に応え、子供たちがすくすくと育っていくように、今後も安心して保育ができる環境を提供して参ります。
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福祉保健課社会福祉担当 佐々木洋子主幹
町では、今年8年目となる「子育て支援センター」の運営、平成17年4月の保育所の再編など、積極的に子育て環境の改善に努めております。
新成児童館と明治へき地保育所を除く6カ所の民間保育園には、再編前より多い100名近い職員・保育士が勤務し、土曜一日保育や年末年始の開園が可能となったことや、平日でも保育時間が拡張され、利用者のニーズに少しでも応えられるようになったと考えています。
「施設拡張」「病後児保育」を実施
今年は、0歳児の入園が増え手狭になった西馬音内保育園の施設拡張工事や、保育中児童が体調不良となったが勤務等の都合ですぐに迎えにこられない方のために「病後児保育」を西馬音内・三輪保育園で実施する計画になっております。
また、入園入所前の子供たちを対象とした明通保育園内の「子育て支援センター」についても利用が促進されるよう努めてまいります。
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※訳「銀も金も宝玉も、どうして優れた宝であろうか。優れた宝は子供に及ぼうか。いや、及びはしない。万葉集(山上憶良)」
西馬音内保育園玄関に飾られたこの書は、子供たちの成長を願って柏原の柴田三郎氏が書き、各保育園(所)に寄贈されたものです。
取材を通じて、行政に限らず、民間の保育事業者や企業・ボランティア団体などたくさんの方々が「子育て」に関わり、子を持つ親が必死に働く姿を感じ取りました。(取材編集担当)