水道事業概要
(1) 経 緯
当町の水道は昭和38年に認可された町営西馬音内簡易水道(計画給水人口4,400人,計画給水量785m3/日)で始まったが、水源である西馬音内の伏流水の取水が困難となったため、新たに雄物川と西馬音内川の合流点付近に地下水を求め、さらに,給水人口の増加に伴い、昭和49年に羽後町上水道事業(計画給水人口12,000人,計画給水量4,800m3/日)の創設事業に着手した。
昭和51年に,給水普及率の一層の向上と、杉宮地区簡易水道及び鳥居、清水、鵜巣地区を上水道事業に統合し、上水道管理の一元化,安定給水の確保を図るため、計画給水人口13,000人、計画給水量5,200m3/日とする水道事業の変更認可を行った。
さらに、平成元年に町の南西に位置する西馬音内川沿いの住宅団地の建設と町の東に位置する町営(柏原専用水道、その他4ヶ所の簡易水道と5ヶ所の小規模水道)水道のほか、自家水源によって賄っている区域を上水道区域に拡張し、
計画給水人口12,692人、計画給水量5,537m3/日の変更認可申請を行った。
近年、集落排水事業や公共下水道事業が供用開始され水の使用量が増えることが予想されることや、水質改善の必要性から、平成14年度に変更認可の申請を行なった。
(2)平成14年度の変更内容
既存第1水源の養蚕水源地の原水水質はPH値が低く、浸食性遊離炭酸が高い性質を有している。
また、近年における原水の水質検査の結果、糞便性大腸菌群及び大腸菌が検出されており、水系感染症病原性微生物であるクリプトスポリジウムやジアルジアに汚染される恐れがある。これらの微生物は,現在の消毒のみの方式では処理する事が不可能であり、早急にろ過施設の導入等の対応が必要である。
また、PH調整については、PH調整実験を行った結果、エアレーションに加えPH調整塔(シェルビーズ充填塔)による水質改善装置を通してPH値の調整が必要である。
これらの水質的問題を解消するため、浄水処理施設整備を行い、安全な水の安定供給を目的として本事業の変更が認可された。
** 変更認可された項目 **
1.給水人口の変更 … 12,692人を14,630人に変更する。
2.5,537㎥/日を6,160㎥/日に変更する。
3. 浄水方法の変更 … 消毒単独からPH調整方式及び膜ろ過処理方式に変更する。
<参考> エアレーション(曝気法)とは、水を充分に空気と接触混交し酸素を供給し、鉄、マンガン、その他の被酸化物を酸化し、その際アンモニア、硫化水素等の溶存ガスを放出除去する。
(3) 施設概要
1.養蚕取水場
第1水源である養蚕取水場は西馬音内川と雄物川に挟まれた養蚕地区にある。
深さ10.95m直径4.5mの井戸に二つのポンプを設置しているが、一つは故障した時のための予備のポンプである。 水中ポンプは一分間に4㎥(時間当り240㎥)の水を汲み上げることが出来る。去年までは一日当たり5,537㎥をくみあげる計画になっていたが、公共下水道や集落排水等下水道(水洗トイレ)が利用されるようになり水道の使用量が多くなることから計画を変更し1日当たり6,160㎥に変更した。
実可動では一日平均で3,680㎥であるが、水を最も使用する8月には、4,360㎥の水を汲み上げている。
自然水は酸性・中性・又はアルカリ性に分類される。基準範囲内にあれば飲料水として使用することが出来るが、養蚕取水場の原水は5.9と酸性が強いのでPH調整を行なっている。カキの殻(シェルビーズ)を通し、PH6.9〜7と中性に近くしている。
<参考> ・「純水」は中性(PH7) ・上水道PH基準 5.8 〜 8.6
水質を確保するため沈殿槽や濾過槽を使っている市町村があるが、養蚕取水場は地下水を使用しているので地下にある砂利層が沈殿層や濾過層の役目をはたしているので当町の上水道は沈殿槽や濾過槽は使用していない。
養蚕取水場で汲み上げた水は、ダクタイル管(直径30cm、2,223m)で大谷地浄水場へ導水される。
2.大谷地浄水場
養蚕取水場から大谷地浄水場に送られてきた水は、流れを整えられ次亜塩素酸ナトリウムを注入し消毒した後、浄水は浄水場内の配水池に貯水される。
<参考> 残留塩素量 0.1PPM以上 注入後 10〜60分
浄水場では毎日「流量」「ポンプの作動状況」「塩素濃度」「配水池水位」等の管理を行なう他、毎月、10項目の水質検査を行っていますし、年1回は全項目の検査を行なっている。
浄水は浄水場内の配水池から送水ポンプ室に入るが、大谷地浄水場から五輪坂配水池へ送水するポンプが3台設置されているがうち1台は予備ポンプである。
また、明治地区の一部と新成地区へは浄水場から直接各家庭に配水している。直送用の送水ポンプ3台(1台予備)と圧力タンクを使用している。

<参考>五輪坂配水池への送水管は直径25cmのダクタイル管(1,774m)を使用し送水している。
3.五輪坂配水池
五輪坂配水池は大谷地浄水場より62m高い、五輪坂の丘陵地に作られ、高さを利用(自然流下)して各家庭に配水している。
五輪坂配水池は 巾12m × 長さ12m × 水深5.1m × 2池 1,469㎥ とかなり大きいが、地震や事故で大谷地浄水場からの送水が停止した場合、8時間程度しか配水することが出来ない。今後改善する必要がある。
標高の高いところにある集落では水圧が足りないため水の出が細くなるので、このような集落には圧力を強くするためポンプを設置し圧力を強くしている。現在3ケ所の増圧施設がある。(郷ノ目、床舞、小松)
導水管 直径30cm
2,223m
送水管 直径25cm
1,774m
8,685m
*ポリエテレン管
3,146m
*職 員 等
職員数(定数内) 7 人
事 務 系 4 人 工 務 系 3 人
嘱 託 職 員 1 人
徴 収 員 6 人 検 針 員 5 人
大谷地浄水場 送水ポンプ 滅菌施設

*平成14年度 工事及び業務委託発注状況
工事及び業務委託発注件数 8 件
平均落札比率 80.83%
平均請負比率 76.12%
自家発電装置

2.平成14年度 事業内容について
** 事業実施内容 **
(1)五輪坂草地送水管布設替工事 第1.2.3工区
不断水分岐2個所、 直径 250mm 延長 331.2m
(2)公共下水補償工事(橋場)
直径 50mm 延長 72.0m
直径 40mm 延長 46.0m
橋場下地区 直径100mm 延長 96.5m
(3)
第2水源予定地域水質検査 全項目水質検査 指標菌検査 8回
第1水源帯水層調査 (深井戸用帯水層の有無調査)
(4)
消火栓設置 3基 (南西馬音内・糠塚・谷地中) 町内164基
*定期的な取り替え又は修繕等
・曝気塔塗装工事
・
浄水場、配水池等の機器の定期的な取替え修繕
(五輪坂配水池警報機取替え、自家用発電機プラグヒーター取替、次亜塩素酸ナトリウム注入設備取替え等)
・
緊急的な漏水工事 21件
・
交通事故や土木工事による破損修理工事 8件
・
開、閉栓処理件数 478件
・
新築改築等の水圧テスト 75件
・
給水装置工事事業者指定申請 5件
3.平成15年度 主要事業について
(1)第2水源調査の進捗状況と今年度の調査について
平成8年から調査をはじめたが、柳田橋橋脚工事の排水作業により隣接集落の自家水道に影響を与えたため、当初予定していた水源地より離して欲しい旨の要望があった。水源調査地点を北側に移し、平成14年度には水質検査を行った。検査の結果、飲料水として適当であるとの結果を得た。
平成15年度は計画水量である1,000立米の水を汲み上げ、隣接集落で自家水道を利用している方々に影響を与えるか与えないのかを調査する。調査地点については三輪振興会のご協力により関係集落の代表との打ち合わせが終わり8ヶ所を設定した。調査は渇水期である2月行うことにしている。
第2水源の候補地は旧三輪農協の野菜集出荷所付近で京塚へ行く道沿いである。候補地付近は表土が10メートルあるが、その下からは砂利層で、一番浅い場所で地下10〜60メートル、一番深い場所で10〜145メートルの帯水層が雄物川に沿ってある。旧河川と思われるがかなりの面積があり候補地として良い場所である。今年度は影響調査の結果を関係集落に提示し進めていくことにしている。
第2水源の計画概要
1)計画最大給水量 1,000㎥/日
2)計画給水量 600㎥/日(750世帯 * 0.8㎥/日)
3)給 水 区 域 三輪地区全域 大戸 床舞 ふれあい通り南側一帯
4)計画給水人口 2,800人(750世帯)
(2)老朽管入れ替え工事について
平成14年度の有収率は75.8%であった。残り24.2%は老朽管からの漏水や工事の時の排泥等考えられるが、有収率は県平均84%よりも低い。
有収率を前年度と比較すると1.8パーセント程下がった。有収率が下がる要因は、一般的には老朽管からの漏水、メーター器が古くなった場合などと言われているが、当町の場合は、毎年350個から450個程度(8年で一回り)メーター器を交換しているので影響は無いものと思う。
当事業の前身である西馬音内簡易水道組合は昭和38年に始まったが、当時埋設した石綿管をまだ利用している。(埋設後40年経過)早期に入れ替えを行いたいが、かなりの事業費がかかる。二重投資を避けるため公共下水道の工事に合わせ入れ替えしているが、公共下水道の進捗状況もあるので、有収率を上げるためにはいま少し時間がかかる。今年度も下水管の埋設に合わせ老朽管の入れ替えを行なう。
<参考>